アジア太平洋経済協力(APEC)の第22回非公式首脳会議が、間もなく北京で開幕する。世界経済の回復が紆余曲折を経る中、中国経済は「新常態」の段階に突入した。中国とアジア太平洋が世界経済の成長をけん引し続けるか、中国の改革のボーナスが全世界に行き渡るかに注目が集まっている。
先ほど発表された今年第1−3四半期の経済データによると、中国経済という列車の運行速度はやや減速し、国際社会の論議の的になった。中国経済の減速は、世界が直面している最大の課題の一つとする声もある。中国経済がアジア太平洋に占める高い比率、地域に及ぼす重要な力を鑑みると、これはAPEC首脳会議のホットな話題になるだろう。
中国で主流のアナリストは、中国経済の成長率は依然として「合理的な区間」に収まっているとしている。中国は物価上昇率が適度で、雇用創出が安定し、経済構造が改善される「新常態」に入るというのだ。
国務院発展研究センターマクロ経済研究部部長の余斌氏は、「いわゆる新常態とは、経済運行が中高度成長段階に入った後のバランスのとれた状態を意味する。エネルギーや原材料などの工業、不動産などの産業のピーク値が、調整の段階に入っている、もしくは入ろうとしている。これは中国経済が高度成長から中高度成長にギアチェンジした、重要な原因である」と指摘した。
世界銀行は直近の報告書の中で、「中国経済の成長率は2014年も低下を続けるが、これは政府の経済リバランスを促す措置の影響を反映している」と分析した。
最新データによると、中国のサービス業が急発展しており、経済の雇用許容力が強化されている。GDP成長率の低下は失業率を上昇させておらず、むしろ1000万人の雇用枠創出という年間目標を前倒しで達成した。また第1−3四半期の最終消費の経済成長に対する貢献度は48.5%に達し、投資を7ポイント上回った。これは需求構造に積極的な変化が生じていることを意味し、中国経済のリバランスの流れがより明確になった。
APECの発展途上国のうち、中国経済の成長率は適度に抑えられているとはいえ、依然として高い水準を維持している。また中国経済の成長率の低下は、世界に対する貢献度の低下を意味しない。国際通貨基金(IMF)の推算によると、今年の中国経済成長の、世界の経済成長に対する貢献度は27.8%に達し、アジアに対する貢献度も50%を超える見通しだ。
これらの分析は、中国がAPEC首脳会議の場を借りて、国際社会に経済の健全な発展を維持する自信を示すことを意味している。
中国世界貿易機関研究会常務理事の何偉文氏は、「APECの各経済体のGDPと貿易高は、世界の57%・46%を占める。今年の会議は21の経済体のマクロ経済政策の調整を行ない、経済の安定成長を共に確保する。これはアジア太平洋の発展にとって有利なばかりか、世界経済の力強い回復、持続可能なバランスのとれた成長を力強く支える」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年11月7日