▼対外投資の拡大は一石二鳥▼
中国が資本輸入国から資本輸出国に変わることは、国際収支のバランスを実現することにプラスになるほか、世界経済を回復基調に戻すことにも役立つ。すなわち中国には過剰な生産能力と外貨資産がある一方で、新興国や発展途上国にはインフラ設備が不足している。先進国については債務問題で身動きがとれずもはや世界経済をけん引する力はない。
こうした状況下、中国の多額の外貨準備を世界の経済成長の資本金とし、資本輸出を通して過剰な生産能力を消化できれば一石二鳥となる。日
本大学の斉藤教授は「単純な資本輸入国から資本輸出国に発展することは中国経済の一大変化である。これは商品の大量輸出による貿易摩擦を減らすだけでなく、投資対象国の雇用機会を増加させ、当地の経済発展を推進させる。その結果、投資対象国は中国経済の発展の成果を得ることができる」と指摘している。