円はドルに対してのみならずアジア通貨に対しても下落を続け、シンガポールドルに対しては12月に92.13円と過去最低を更新、タイバーツに対しても2008年以来の安値水準となっている。ドルに対しては7年ぶりの安値となる121.85円である。しかしこの円安傾向について、多くのアナリストはまだこの動きが続くと見ている。先の衆議院総選挙で自民党が勝利したためである。
日本経済新聞は12月5日、市場の見方として「自民党の勝利で金融緩和や財政出動といった材料が長期化する期待が高まる。その結果、株価は第1次安倍内閣当時に付けた日経平均株価の高値(1万8261円)を更新し、円はその安値(1ドル124円)を更新する」との見方を紹介している。またみずほ証券の上野泰也アナリストは「国民のお墨付きを得たことで政権は長期化する公算が大きい」として、当面円安が続きやすいとしている。