易綱氏は、膠着し固定化した為替レートは中国の国情に合わず、持続もできないと強調。弾力性のある為替相場は経済発展や国際収支の安定器になるため、そのような相場システムこそが長期的な経済発展に有利だとした。アンバランスな状態を調整することで、全体の経済発展や国際修正のバランスを取ることができると述べた。
「中央銀行は常に関与する状況から脱却すべきだ。外部からの衝撃があったときや管理範囲から出そうなときにおいてのみ有効な措置を採る」と同氏は言う。
外貨準備が3兆9900億ドルから3兆6500億ドルに低下したことについて、易綱氏は3つの要因を挙げた。第一に、昨年以降、国内の国民と企業が国内銀行で米ドルでの貯蓄を大幅に増加させたこと。昨年は1080億ドル、今年上半期は約700億ドル以上増加している。第二に、国有企業や民営企業など各企業が海外進出を加速させており、海外投資が急増したこと。その一部は米ドルだった。第三に為替レートが変化したこと。