▽アジアのインフラ建設、中日の協力の可能性
「金銭面の条件より、インドは、安全性や定時性を重視しており、日本の関連技術が正当に評価された」。日本国土交通省の高官は、日印が達成した新幹線プロジェクトの合意をこのように評価した。日本の新幹線技術は過去50年、中国台湾での一部導入を除いて、いかなる国や地域にも輸出されていなかった。インドの高速鉄道建設で日本の技術が選ばれた最大の意義は、新幹線技術が正式かつ全面的に初めて導入されるということにある。インドが新幹線技術の導入を正式に決定した後は、JR東日本と川崎重工業、日立製作所による日本企業連合が共同で落札を目指すこととなる。
安倍政権は、日本の製造業の質の高さを至る所で強調しているが、これには「中国は安いだけ」という含みがある。新幹線や発電所の関係国への売り込みで、日本はかなりの資金を投じている。日本は今年、数億円の予算を追加して、国外の高速鉄道や火力発電所の専門家や企業家2千人を日本への視察に招き、日本企業と関連技術への好感度と信頼度の向上をはかっている。海外からの招待だけでなく、経済産業省は海外への派遣にも熱心で、技術専門家を新興国に派遣し、日本の技術を広めている。ある経済産業省の幹部は「朝日新聞」の取材に対し、2015年から約4千人の育成を始め、「金額やスピードだけでなく、人材育成を日本の強みにしたい」と語っている。親日派の技術専門家や企業家を大量に育成することで、日本がこれからアジア諸国で鉄道などのインフラ建設を推進する際の重要な支持勢力の一つとする狙いだ。