◆ 循環と発展我々が自然の営み
みて強く感じることは、すべてにおいて循環しているということだ。この地球に生まれ育った人間は、当然ながら自然を離れて生きていくことはできない。経済という人間の営みも同じことが言えるだろう。それゆえ、「循環経済」という概念が生まれるのであり、経済が循環しない限り、人間生活は存続し得うることはないと思っている。もちろん循環する一方で常に発展してくことも重要である。いわゆる「持続可能な発展」である。単なる循環だけでは繰り返しに終わってしまい、何の面白味も魅力も感じないことだろう。
一定の成長を維持しつつ、経済の質を向上させるという中国政府の経済政策の方向性は正しいといえる。高度経済成長により「温飽社会」を達成した中国が、今直面しているのは持続可能な発展を目指す上での課題である。過剰生産、環境汚染、資源浪費、格差拡大、都市病といった矛盾を解決しない限り、次の目標である「小康社会」の実現は不可能である。