富士通は、ソニーと東芝に続き、PC事業の分割を準備する3社目の日本企業となった。ソニーの平井一夫CEOは昨年2月、同社が「日本産業パートナーズ」(JIP)と了解覚書を締結し、参加のPC事業とVAIOブランドの売却を協議していることを明らかにした。平井CEOは当時、経営資源をゲームとスマートフォンに集中させる方針を示していた。ソニーのVAIOパソコンは、PC設計の最高水準を代表するだけでなく、ソニーに豊かな利潤をもたらした部門でもあった。東芝も、このほど示した「アクションプラン」で、PC事業を分離して新会社を設立する方針を示し、他社との業務再編も検討していることを明らかにしている。
▽従来型PC、斜陽産業に
産業経済ウォッチャーの梁振鵬氏によると、PC事業は現在、下り坂にある。市場はすでに飽和状態で、企業の収益状況は、PC製品が爆発的に成長していた時期とは比べ物にならなくなっている。中国さらに世界のPC市場では、日系製品はすでに優位性を失い、市場シェアは大きく下がっている。現在、市場シェアのほとんどを占めているのは、レノボやHP、デル、アップルなどである。ソニーと富士通がPC事業を分離させたのは、子会社の価値評価を明確かつ詳細に行い、今後の売却または他社との統合に備えるためと考えられる。