旧暦の年末、深夜。広州深圳経済回廊の中段に位置する東莞市の常平鎮には、貨物を満載した大型トラックが大量に行き来していた。
2015年、東莞地域のGDP成長率は約8%。全国平均を上回り、「6000億元クラブ」の仲間入りを果たした。スマートフォン、電子部品、服飾、靴や帽子などの製品で、中国ないしは世界のトップグラスの生産量を誇る。「東莞が渋滞したら、世界で欠品が生じる」という言葉は、決して冗談とも言い切れない。
「世界の工場」というキャッチフレーズを持つ東莞で、対外経済貿易額と工業成長率の6割を占める外資系企業は、同地の命運を握る存在だ。
対外経済貿易分野の「風向計」の役割を持つ外資企業なだけに、その一挙手一投足が様々な憶測を呼ぶことになる。「倒産ブーム」や「撤退ブーム」といった報道も各所で見られる。