それに対し、東莞市商務局の副局長である方見波氏は、撤退や移転をする東莞の外資企業があるのは事実であるとし、ノキアの東莞工場や聯勝電子など大型工場の閉鎖を注視していることを明かした上で、「しかし規模の面でも品質の面でも、これらは正常な範囲内であり、いわゆる“撤退ブーム”は出現していない」と述べる。
実際、外資企業は次々と東莞に進出している。2015年、東莞は53.2億ドルの外国資本を吸収し、増加率は17.5%だった。そのうち科学研究技術業界での投資は135%増。金融業界での投資は656%の大幅増となった。サービス業は、製造業を越える資本投入先になっている。付加価値や技術が低く、資源消耗率の高い外資企業は、倒産や撤退を迫られているが、一方で強い企業は成長を続け、新たな成長の時代を迎えようとしている。
龍昌デジタル科技有限公司は、改革開放後にいち早く東莞に拠点を設けた委託加工型外資企業である。工場に入ると、数多くのロボットアームがてきぱきと仕事をしている。彼らは休むことなく、溶解したプラスチックを流し込んだ型を開け、作られたばかりのプラスチック玩具部品を、バリを取り除いてからコンベアーに並べる。バリは集められて再利用される。