そして、「第12次五カ年計画(10‐15年)」が実施されていた11年、中国政府は再び工業ロボットの発展を重要項目とした。当時、中国は世界一の製造業大国となっていた。
そしてその後すぐに、中国ではロボットのニーズが急速に増加する。国際ロボット連盟(IFR)の統計によると、13年、中国市場の工業ロボットの販売台数は約3万7千台と、世界の販売台数の約5分の1を占め、日本を上回り、世界一の工業ロボット市場となった。15年、その台数は6万6千台になり、3年連続で世界一となっている。
中国は現在、ロボット産業の発展を大歓迎し、それによってもたらされた産業のグレードアップの機会を利用している。中国のロボットの分野の発展は、「製造業の冠を飾る宝石」を探すかのようで、その影響は非常に大きい。
拡大するロボット市場
中国ロボット産業聯盟の資料によると、2012年以前、中国の工業ロボット市場では、外資系ブランドが支配的な地位を築いていた。その後、中国国産ブランドが徐々に台頭し、15年には市場の32.5%を占めるようになった。
中国科学院に所属する「新松ロボット」は中国国産ブランドにおいて代表的な存在だ。ロボット会社としては中国で初めて上場を遂げた同社の製品には、工業ロボット、掃除ロボット、移動ロボット、特殊ロボット、知能型サービスロボットの5大シリーズがあり、うち、工業ロボットの製品は中国の産業の多くの空白を埋めた。掃除ロボットも国外技術の独占状態を何度も打ち破り、輸入製品に取って代わるようになってきた。14年、「新松ロボット」の売上は前年同期比15.50%増の15億2400万元(約228億6千万円)に達し、15年の中期の業績予想では、利益が1億5600万-1億8100万元(約23億4千万‐27億1500万円)に達した。