盧海龍氏は、「メタンハイドレートは埋蔵量が多く、広範囲に広がっているが、形成年代は石油や天然ガスよりかなり後のものだ。覆われている海底地層は一般的に砂質で、現在の海底掘削設備の採掘では大量の砂石が配管に流れ込み、失敗する可能性がある」と述べる。
日本の2回にわたる試掘では、条件が比較的良い粗砂地層でメタンハイドレートを採掘したが、2度とも配管に砂が流れ込んで中止になっている。
南シナ海の「神狐」海域でのメタンハイドレート採掘は困難を極める。陸敬安氏によると、第一に、地層が浅いことから地盤が弱く、そのため支柱を安定させる必要があるが、地層を破壊してはならない。その結果、工事方法に選択の余地は少なく、かつ難易度が高いことが挙げられる。第二に、砂が細かく泥の含有量が多いため、浸透率が低くなり、産出量が減少しがちなことが挙げられる。
メタンハイドレートの開発には長くかかりそうだ。盧海龍氏などの見解によれば、中国のメタンハイドレートが商業開発レベルに達するには15~20年かかるという。つまり2030年以降ということになる。いま重要なのは、十分な技術力と基礎的データ研究の蓄積である。現在、両者ともに強化を図っているところだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月6日