中国人民銀行(中央銀行)が1月7日発表した統計によると、2017年12月末時点で中国の外貨準備高は3兆1399億米ドルに上り、11月末に比べ207億米ドル(0.66%)増え、11カ月連続の増加となった。
中国国家外貨管理局(外匯局)の責任者は、2017年12月に中国のクロスボーダー資金流動と国内機関による取引が安定と均衡へ向かったと説明。国際金融市場の変動が小さく、米ドル以外の通貨の通貨高と資産価格の上昇が、外貨準備高の増加につながったとしている。
「ここ数か月にわたる米国株式市場の上昇が、外貨準備高の回復を強く後押しした。直近3カ月の貿易黒字が着実に増えたことも外貨準備高の回復を促進した」。交通銀行金融研究センター研究員の劉健氏はこのように分析した。
2017年を振り返ると、中国の外貨準備高は、1月に2兆9982億米ドルへ減少して以降は緩やかに回復し、年末時点では年初比で1294億米ドル(4.3%)増えた。外匯局の責任者は、2017年の外貨準備高増加の主因について、マクロ経済が全体的に安定し、安定しつつ上向くトレンドを保ったことで、クロスボーダー資金流動がさらに均衡化したと分析。同時に、国際収支が穏健だったことも外貨準備高の持続的な回復を支えたとの見方を示している。