被害者という米国こそグローバル化の最大の受益者

被害者という米国こそグローバル化の最大の受益者。

タグ:世界貿易

発信時間:2018-04-12 17:18:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

経済貿易をめぐる利益ということでは、米国はルールに基づいて多くの目に見えない利益を得てきた。WTOの後押しを受けて、経済グローバル化が急速に発展し、米国はグローバル化から力を得て多国籍企業が主導するグローバルバリューチェーンを構築し、自らはチェーンの上層部分や高付加価値部分におさまった。貨物貿易では、米国の赤字全体のうち対中国が50%を占めるが、付加価値の統計ではこの数字は16%に低下する。また中国の輸出をめぐる付加価値の一部は米国の投資によって得られたもので、トランプ大統領が米国の貨物貿易赤字を過剰に言い立てていることは明らかだ。サービス貿易では、米国は一貫して黒字であり、優位性が拡大を続けており、2006年から16年の間には、中国のサービス貿易の赤字の最大の原因となった国は米国であり、赤字額は10年間で34.7倍増加した。あらためて投資をみると、米国は対外投資大国であり、外資導入大国でもある。経済グローバル化を背景として、米国の資本は世界に広がり、世界中で「羊毛刈り」(強い者が弱い者の利益を奪い取る)を行い、純債務国となり、国際投資では一貫してプラスとなり純収益を上げ、その規模は6兆ドル(1ドルは約107.0円)にも達していた。これと同時に、米国は中国でも大量の直接投資を行い、年平均収益率は20%を超え、こうした資本の投資家の多くは中米貿易を組織する者であり、主な利益獲得者でもあった。よって米国こそ経済グローバル化の最大の受益者だと、少しも誇張を交えずに言うことができる。

「WTOが中国に荷担論」には、目下の米国国内の経済グローバル化に対する評価基準の変化が反映されている。資本という観点からの評価では、米国の産業資本と金融資本は今なお最大の利益獲得者だ。中国も資本による利益を得てはいるが、規模も利益率も米国に遙かに及ばない。労働力という観点からの評価では、米国の産業労働者が産業移転によって大量の失業者を出したため被害者であり、中国の労働力が農業から工業への転換プロセスで、収入が上がり、生活が改善されたので受益者ということになる。何もかもがうまくいくということはない。経済グローバル化やWTOが米国にとって不利で不平等だというより、米国内の利益の分配調整メカニズムに問題が出たというべきだ。

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