中国と米国両国の業界の声や消費者の利益を顧みず、米国政府は現地時間6日午前0時1分(北京時間同午後0時1分、日本時間同1時1分)、中国から輸入する340億ドル(1ドル=約110円)相当の商品に対し追加関税を発動した。こうした時代遅れの保護主義の道具を使い、世界の産業チェーンとバリューチェーンに被害をもたらす覇権主義的なやり方は、米国企業を含む世界の企業に直接打撃を加えるだけでなく、米国自らの経済や雇用にも影響を及ぼし、さらに貿易摩擦を解決するための国際ルールに背くものであり、必ず失敗に終わる。
理由から見ても、米国の中国製品に対する追加関税は「名正しからざれば、言順わず」(論語)というように名分が正当でなく、言葉に説得力がないものだ。米国側が対中経済貿易摩擦を引き起こす大きな口実となったのは、膨大な対中貿易の赤字で、米国が対中貿易において「損している」という主張。だが経済学者は広く、貿易の「黒字」と「赤字」は国家間の貿易関係における「勝ち負け」を意味するものでも、一国の経済発展の「良し悪し」を表すものでもないと考えている。
中国の対米貿易が黒字になっているのは、中国と米国の経済構造や国際的分業によって決まったもので、市場自らが作り出した結果である。また現行の貿易統計ルールや、米国側の対中ハイテク輸出制限など多くの要素の影響も受けている。中国側は決して苦心して貿易黒字を追い求めているわけではない。