現在、自動車や航空機からコンピューターや携帯電話に至るまで、製品の部品はどれも世界のサプライチェーンから供給されており、製品の製造は「一国の代表チームのスポーツ」としてできるものではなくなった。ある分析によれば、米国側が発表したいわゆる340億ドルの課税製品リストのうち、約59%は中国で生産を行う外資系企業が関わる製品で、そのうち米国企業が相当の比率を占めているという。
米国企業にとって、自国政府が輸入製品に追加関税を課すのは企業の内部に「壁を設ける」のと同じであり、サプライチェーンの効率の高い統合を妨げ、製品価格を引き上げ、企業の投資や雇用を抑制するものとなる。また、企業は世界的なサプライチェーンを構築するのに何年も必要とし、代替のサプライヤーを探すことは一朝一夕にできることではなく、多くの米国の中小企業はこれにより倒産のリスクに直面する。
このため、米商工会議所など経済界の団体は何度も米国政府に警告し、関税の引き上げは米国企業と消費者への「課税」に当たり、製造業の再生や雇用の保護という政府の当初の目的とは相反するものであると指摘してきた。さらに、全米貿易評議会(NFTC)の統計によれば、米国による関税措置に対抗するため、米国の主な貿易パートナーは現在、米国の輸出製品に対し合計約900億ドルの関税を準備しており、これにより米国の数百万人の雇用が脅かされることになる。