アナリストによれば、第2次世界大戦以降の世界経済や貿易、金融システムの主要な創設国である米国にとって、モノの貿易赤字は同国の損失を意味するわけではない。貿易赤字はまさしく米国経済における科学技術のイノベーション能力やハイエンドサービス業の競争力、同国の国際通貨・金融システムでの特殊な地位の表れと言えるという。
米国政府が貿易の「損失」を口実に中国製品に対し追加関税を課すその実質は、自らの経済上の優位性や発言力により、関税を武器に貿易パートナーに対し大きな譲歩を迫り、米国製品の市場シェアを無理やり高め、米国の利益の最大化を図るものだ。
また、結果から見ても、米国の中国製品に対する追加関税は、確実に両国企業の「共倒れ」を招き、さらには多角的貿易体制において「多くの国々の負け」を招く。時代遅れの保護主義の道具として関税を用いることは、経済のグローバル化傾向や国際産業チェーンの発展と相反する。世界経済は現在、これまでにないほどの一体化を遂げており、輸入製品に追加関税を課すあらゆる経済体(エコノミー)は「千の敵を倒すも、800の味方を失う」ことになる。