特に中国側の統計では、米国の340億米ドル相当の追加関税対象製品リストのうち、約59%が中国において外資企業が生産したもので、なかでも米国企業が大きな割合を占めている。つまり、グローバル産業チェーンとバリューチェーンがかつてないほど緊密になるなか、米国の「火力」によって最も打撃を受けるのは他人ではなく、自身とその同盟国になる。
一方、輸入で中国の米国に対する報復措置の中心は、農産物、水産物、自動車となる。これらについては、中国が多様な手段を用いて、国内消費者に対する影響を最低限に抑え、物価上昇な圧力を解消することができる。
貿易摩擦が中国マクロ経済全体に及ぼすショックもコントロール可能な範囲に収まる見通しだ。中国国務院発展研究センター産業経済研究部部長の趙昌文氏は、中国が対米輸出する商品500億米ドルに追加関税が課されても、中国経済の成長率は0.2ポイント以下の影響しか受けないと試算した。