蔡林海博士:「ポストコペンハーゲン会議」 2大陣営の様々な勢力の対局

タグ: 気候変動 低炭素

発信時間: 2010-03-11 09:32:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

2009年12月7日から18日にかけてデンマークのコペンハーゲンで開催された国連機構変動枠組み条約第15回締約会議(COP15)は、成果をあげることができなかった。チャイナネットはこのほど、第 3回国務院華僑事務弁公室専門家諮問委員会委員の蔡林海博士を訪ね、世界各国の温室効果ガス排出削減に対する姿勢、各国における「低炭素経済」の発展状況および、こうした情勢において中国が取るべき措置について伺った。

先進国と途上国・2大陣営それぞれの内部矛盾を読み解く

COP15は京都議定書以降の温室効果ガス削減および環境保護に関する合意形成を目的とした国際会議。110数カ国の国家元首が参加し、地球規模の気候変動と温暖化がもたらす危機について強い関心を表明した。

だが、COP15は決して成功裏に終了したわけではない。先進国と途上国との間の矛盾がこのような結果をもたらしたのだろうか。蔡博士は次のように説明する。「実際、先進国側も分裂しており、2つの勢力範囲を形成する異なる利益集団が存在している。1つはヨーロッパ連合(EU)。EUは温暖化対策のリーダーとして、立法や二酸化炭素削減を実現する取引制度などの面で世界をリードしている。排出削減の面において、EUは米国およびその他の先進国よりも高い目標を設定しており、その積極的な姿勢も際立つ。EUは低炭素経済発展の積極的な取り組みを通じて気候変動に対応し、環境保護と排出削減の分野における優位性の強化を望んでいる。もう1つはアンブレラ・グループだ。アンブレラ・グループとはEUを除くその他の先進国を指し、米国、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが含まれる(地図上でこれらの国々は『傘』状に分布している)。これらの国々は排出削減の公約に非常に消極的な姿勢を示しており、中国を含むBASIC4カ国の削減目標を前提条件に据え、自国の削減目標を公約する傾向がある。EUも中国やインドなどの途上国が積極的に排出削減に取り組むことを期待しているが、米国が排出削減で責任を果たすことをより強く望んでいる。EUはこれを削減目標設定の際の1つの重要な条件としており、米国が責任を果たせばさらに高い削減目標を設定してもよいと考えている。こうした状況から、先進国内部にも激しい駆け引きがあることが見て取れる」。

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