このように、俗に言われる文化的な差異、という市場需要の差異によって、現地化の程度が決定されるわけです。まとめれば、「現地化」という現象は、オリジナルの国・地域ではなく、それが輸出された国・地域での「財またはサービスの加工・チューンナップ」ということができると思います。
次の段階で面白いのが、「逆輸入という現象」です。とりわけ、この現地化の程度が高い財またはサービスの「逆輸入」はいつも面白いなぁと思います。「料理」の中には、この要件を満たしたものがたくさんありますね。
たとえば、それは、もともとは、中国の東北料理であったラーメンです。これは日本に入って中華料理としての存在を確立し、そして、その熾烈な競争の結果、世界で競争力を持った料理となりました。そして今では、ラーメンオリジナルの中国本土(Home)でさえ、「日本ラーメン」が多くの方にうけいれられています。世界でも、この日本ラーメンは、チェーン展開とともに、多くの国で人気の有る料理のポジションを確立してきました。日本に逆輸入されたものとしては、カリフォルニアロールというお寿司があります。オリジナルの日本でのお寿司にはなかったものですが、アメリカでアボカドを中にいれるという発想開発がなされ、その美味しさのため、今では、日本国内のお寿司屋さんのメニューに加えられる逆輸入がおこなわれています。
ちなみに、日本を離れた話題では、ピザがイタリアからアメリカに渡り(アメリカに渡ったイタリア移民が広めたもの)そして、アメリカで例のアメリカンスタイルというチェーン店とともに広がり、これが世界にも広がっていますが、イタリアへの「逆輸入」は成功しなかったようです(イタリアのピザが完成されすぎていたものなのか、アメリカのカスタマイズが卓越していなかったのか、イタリアがアンチアメリカに動いたのか・・・などなどいろいろ考えられるところも面白いですね)。