写真は「神州学人」より
日本で中華料理店に行きますと、「本場の味」とはかけ離れた「中華風日本料理」がでてきます。これは旅行などの短期であっても日中の両国を行き来して、中国での現地料理と日本での中華料理を食べたことがある方には、すぐにその大きな違いを思い浮かべられるのではないでしょうか。
僕自身は、日本でずっと育ってきましたから、初めて中国に来る時までは、その「中華風日本料理」こそが、中国全土を代表する料理なのだと思っていました。が・・・、簡単に考えても、中華料理は世界三大料理にも必ずと言っていいほどランキングされ、その歴史的な奥深さは証明されています。それが、日本の中華屋さんに並んでいるような数種類の料理だけで完結することはないでしょうし、また技術的にもさらに幅広いものが求められるのであろうことは当然なのだと思います。だから、日本の中華料理屋さんに並んでいるメニュー(チャーハン、ラーメン、エビチリ、餃子、ホイコーロー、チンジャオロース、鳥とカシューナッツ炒め、そして!中華料理に存在しない天津飯!)だけで本場の中華料理を「語る」ことはちょっと難しそうですね!
今回のブログでは、そんな不思議な国を超えた現象を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
さて、「日本での中華料理」はいわば、Localization(現地化)の特徴を備えたものであることがいえるでしょう。財またはサービスがある地域から別の地域に移転されるときに、その現地の市場需要にあわせて、カスタマイズされるものであります。
料理(ここでは食全般・レストラン・食材etcを指す)は他の財に比べ、とりわけ輸出先(Host)の市場需要が多様であるために、その現地化の傾向が強くなります。たとえば、家電製品や自動車などは、あまり現地化される程度が高くはありませんし、英語塾やホテル、スーパーチェーン店などのサービス業でも、「料理」に比べればその現地化の度合いは低いことになります。