僕はこれでは日本の産業が直面する課題は解決できないと思うわけです。これらを解決するためにはいくつかの認識が必要でしょう。「匠の技術」と「創造開発」はともに重要で、過度に過去の「匠の技術」の成功体験(高度経済成長期)に頼り過ぎないこと。日本はすでに先進国に「なってしまった」のだから、自ら「創造開発」をすることも重要であること。そして中国企業をはじめとした多く新興国企業が「模倣」していることを批判するのではなく、自らもそうした企業に対抗しうるように、単純な「模倣」への対抗措置(現地に出向き、法制度チェックをするなり、先んじて知的財産権を主張しておくなり)を徹底的になす事。「模倣」を市場に対し凌駕するような力は、「匠の技術」よりもむしろ「創造開発」によるものであると認識すること(米国Appleのiphoneや英国ダイソンの羽根なし扇風機などは、日本市場成功での好例。incremental changeでは市場は不感症になってしまうから。)、などなどです。
日本は最近「不満」ばかりが聞かれないでしょうか?中国への不満、米国への不満。
個人と同じように、国のレベル、企業のレベルでも産業・経済が不調になると不満をぶつけたくなるものだと思います。外部や内部の環境情報が見えないからこそ発生する国家レベルでの不満は、建設的ではありませんが、その中には何か潜在的に感じる問題意識が含まれていることもしばしばでしょう。
最後に、クリスマスキャンペーンの分析に少し還元すれば、クリスマスキャンペーンはサービス事業であり、それはすでに文化として吸収された事象=超産業の事象となっており、もはや「創造開発」「匠の技術」「模倣対応技術」の域を超えたものになっています(一次模倣・二次模倣・三次模倣・・・が世界的にされつくしたサービスと捉えられるといえます。だから誰の所有物でもなく、初期導入開発者の経済的利潤は生み出しません。)。