日本にとって、「米国」という親会社は、暗黙の所与たるBOSSであって、語られることすらタブーといいますか、政治家のカテゴリーにすらならないような状況であります(いや、僕がそう思っているのではなく、国民感情にそのように醸成されたものがうえつけられていると思います。)。一方「中国」は様々な意味での日本にとっての競合他社でありまして、その低価格商品対抗の問題であったり、はたまたつい先日前には中国GDP世界二位ということを受けて「日本は質で存在感を(岡村日商会頭)」などと語られたり、「日本はソフトパワーがあり中国よりも優れている(http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2011-01/19/content_21773419.htm)」云々などと、政治体制、文化、経済等の多様な切り口でライバルとしてみているわけですね。
だから、日本という「会社」から見れば、「親会社(見えざる実質的株主といったほうが適正でしょうかね)」との対立は「そもそも無い」という立場であって、対立の意義が矮小化されますし、一方で「競合他社」の急成長は驚異にうつることに他ならないわけです。そして、「競合他社」との関係のみが「積極対立路線派=嫌中」と「協調共益派=親中」として区分されて報じられることが、「伝統的な見方」となってしまっているわけです。
こうした「伝統的な見方」について、みなさん(日本人自身も、そして中国人の方も)、いかが思われるでしょうか。僕はいささか、ここにタブーが内在していたり、自虐的な歴史観が内在していたりと、どうもしっくりこない部分が多いなぁとつくづく感じます。