まずは、政治的な問題を別にすれば、紛れもなく、「米国」と「中国」は国土の広さ、人口の多さそして、現在の経済力からみても大国としての潜在性を所有しています、一方で日本はその意味では「大国」ではないですね。そのような情勢下で、これら2つの大国に対して、日本としては、もっとフラットにみなければならないのじゃないあかなぁと思います。
そして、ここに政治的な問題をとりいれるにしても、最初から「親会社・株主」と「競合他社」という見方の区分を前提にとらえてから、「競合他社」との問題(友好的vs.対立的)のみを指摘するという態度ではなくて、(米国も中国もともに)差異なく大きな2つの「競合他社」とみなして、その上で、株式の持ち合いをするのか、事業の提携をするのか、はたまた完全ライバルになっていくのかを検討するべきでありましょう。最初から「親会社・株主」とみてしまうのは、非常に誤ったバイアスとなると思います。
中堅会社(かつて強かった分野が斜陽産業となり、さらに過去の成功体験にとらわれて変化できない企業でもある)の日本が取締役会でゴタゴタしている間に、先進的大企業と潜在的大企業が利害調整をしているところであります。胡錦濤国家主席とオバマ大統領というCEOレベルの交渉も含めて、今後も大企業両社同士の利害調整は困難を極めるでしょうが、それでも多様に歩み寄りをしていることに他ならず、時間と共に結果として、より強固な協調または、より強烈な対立関係になっていくでしょう。いずれにしても、中堅会社は、その大企業の狭間に取り残されるかもしれないときに、それら片方ずつ別々に誤った「色眼鏡」をもってみていてはいけないだろうと思うものです。
(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月21日