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中国で第二の人生を送る穴澤貞幸さん
発信時間: 2009-09-24 | チャイナネット

山東大学日本語学部専家の穴澤貞幸先生(左から3人目)と学生たち

 

改革開放以来、中国経済は急速な成長を遂げ、人々の生活レベルは大きく高まってきたが、国民生活などの面でまた改善しなければならないことがたくさんある。先ごろ、中国での生活について、本誌記者が長年国語の教師を続けており、定年を過ぎてからは中国で日本語教師で第二の人生を送っている山東大学の穴澤貞幸先生に取材した。

穴澤先生へのインタビューの内容は次の通り。

———中国に興味を持ち始めたきっかけはどんなことでしょうか。穴澤先生を引き付ける中国の魅力は何でしょうか。

きっかけは「中国で日本語を教えませんか。」という、日中技能者交流センターの誘いの文章でした。中国で日本語を教えることができると言うことを聞いて、初めて中国で暮らすことになったわけです。長年国語の教師を続けていた者にとって、定年を過ぎてからはほかの仕事に就くのは無理でした。日本語の文法や文学の指導にたずさわってきて、そこで得た知識や技能をそのまま埋もれさせてしまうのはもったいないし、捨てる気にはなれません。そんなときに外国でその自分の力を発揮する場所があると言うことで中国に来たわけです。従って、その場所がどこであってもよかったわけです。自分の持てる力がそこで評価され、頼りにされるということが、第二の人生を送るための生き甲斐となったのです。中国の日語教師として4年目を迎えますが、どこの大学でも学生がまじめに日本語学習に取り組んでいました。そういう学習態度を見るにつけ、中国が好きとか、嫌いとかいうことなく、明日も教壇に立たなければいけないという気になってきます。どこの学生も一生懸命学ぼうという姿勢が見えれば教師はそれに応えようとするものです。中国での給料は中国で暮らしている分には十分ですが、日本での給料に比べればかなり安いものです。それでも新学期になれば航空券を予約し、持って行く資料を整えるのはひとえに教壇に立てる喜びを味わいたいがためです。だから、日本で友人に「どうして中国がそんなにいいのですか?」と聞かれることがありますが、中国が好きと言うより、教壇に立つことが好きなのです。日本語を工夫しながら教えることが楽しいのです。しかも、自由に指導方法を試すことができます。そういう答えでは日本の友人は納得しないようです。中国を知らない彼らは、中国に対して食品問題などでよくない印象があるからかもしれません。

———中国で仕事をして感じたことは何でしょうか。特に印象に残っていることは何でしょうか。苦労したことは何でしょうか。

どこの大学も建物は立派ですが施設は不備なものが多いです。たとえば、教室の明るさは光度不足で学生が気の毒です。目が悪くなります。視聴覚施設備がないか、あっても故障しているとか、使いにくかったりします。黒板と白墨の質がよくないのが残念です。しかも黒板消しで消した跡の白墨の粉のあと始末ができないというのが困ります。学生が消してくれますが、その黒板消しを窓枠や、教壇でたたいているのです。粉が舞い散ってしまいます。呼吸器によくありません。また、印刷機、コピー機が自由に使えないのが困ります。いつでも自由にプリントが作れるようになるともう少し効率的な指導ができるのではないかと思います。そして、一クラス30人というのは語学教育にとっては多すぎる人数です。また、学校の年間計画、時間割というようなものがなかなか通知されないというのが困ります。しかも、急に予定が変更されるということが起こります。よくこれで学校が維持されていくものだと感心してしまいますが、少しは慣れたものの何とかならないものかと思います。

学生の日本語を身につけたいという意識の高さには驚きました。日本の文学、映画、アニメ、漫画および日本の製品についての知識は、日本では想像もできませんでした。日本に行ったことのある学生は、日本はきれいだ、清潔だといいます。何もかも日本のものがすばらしいという気持ちを持っているので、かえって心配になりました。ひいきの引き倒しにならないようにと願っています。

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