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中国で第二の人生を送る穴澤貞幸さん
発信時間: 2009-09-24 | チャイナネット

穴澤貞幸先生(写真左)と山東大学日本語クラブの学生たち

 

———ここ数年で、中国の国民生活などの面で何か変化を感じましたか。改善する必要がある点はどんなところでしょうか。

わずか足かけ4年間の生活ですが、学生の持ち物が豊かになってきました。最初の燕山大学では、1年生は携帯電話を持っていませんでした。3年生になると就職活動が始まると言うことで、ほとんどの学生が持つようになると言われていました。次の東方学院に行くと、1年生でも携帯電話を持っていました。山東大学では1年生も全員が携帯を持っています。ノートパソコンを持っているものも少なくありません。しかも、ピアノ、バイオリン、ギターなどを習っている学生もいるのには驚きました。わずかな間に物質の上ではたいへん豊かになったと思います。もっとも大学に来られる人たちはもともと豊かな家庭の子弟かと思いますがその変化の大きさには驚かされます。その豊かな学生たちを支える町に出ると、豊かでないと思われる人たちが目につきます。その格差が気になります。大学には施設管理のためにいろいろな人が働いているようですが、その人たちからは豊かさが感じられません。気になるのは、そういう人たちを見る学生の目は冷たいようです。掃除をしている年配の方のそばですぐゴミを散らかす人、たばこを捨てる人、つばを吐く学生を見かけます。職業に貴賎はないと言われますが、エリートの中国の学生は下働きをする人を見下しているようです。日本でも格差が広がっているとの批判が出ていますが、あくまでも生活の格差ということです。中国はそれ以上で、階級格差のようなものを感じました。この格差をなくすか、せめて低い生活水準の人たちの生活向上を図るのが喫緊の課題ではないでしょうか。

———今年の10月1日に、中国は建国60周年を迎えます。ご感想をお願いします。一番期待をなさっていることはどんなところでしょうか。

中国が建国60周年を迎えるといっていますが、なにかおかしな感じがします。3000年の歴史があると言われているうちの直近の60年を祝うというのはどういうことだろうか。つまり、現政府の歴史を祝うと言うことなのではないだろうかと思います。奇しくも日本の自民党が60年の政権から降りることになりましたが、日本が終わったわけではなく政治の担い手が変わったと言うだけです。ただいえるのは60年前の政治が中国国民にとってあまりにも思わしくないものであった。それを覆して今の生活を勝ち得たと言うことからそれを祝おうとしているのだろうと推測しています。50余の民族からなる国を一つにまとめることは大変なことだろうと思いますが、個々の民族が独自の文化を将来も継承できるような世の中であってほしいと思います。そして環境問題にもぜひとも取り組んでもらいたいものです。黃河の源流が紹介されている映像を見ましたが、源流部は清流ですが、途中から工場の廃水がそのまま流されていました。惜しげもなく歴史ある大事な河を汚しているのを見て、河が気の毒になりました。一度壊した環境を元に戻すには大変な労力と費用がかかります。費用をかけても元に戻らないこともあります。ゴミの分別、ゴミの処理方法、上下水道の完備、下水処理、工場の排煙処理、食品の安全管理などなど、日本の公害関連法案のようなものを作って、将来に禍根を残さないようにしてもらいたいです。(本誌記者 繆暁陽)

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