カフェで起業に挑戦する大学生
メイドカフェは開店してから1カ月ばかりで、この独特の店を形成しているのは寧波のある大学を卒業後間もない若者だ。
「アニメ・マンガ文化の主な推進者は大学生です。この点を重視して下沙地区にこのカフェを開きました。」店長によると、お客だけでなく、店の「メイド」の大部分も近くの大学生だという。「メイド」は正式に業務につく前に、礼儀や日常的な日本語、アニメ・マンガの知識やゲームについて特別のトレーニングを受けるという。「メイドはお客につきあってゲームをしたり、おしゃべりをしたりします。日本のメイドカフェの経営モデルを踏襲しています。」
「この店は杭州でのメイドカフェ文化やマンガ・アニメ文化の実験と言えます。業績が拡大したら、市の中心でより規模の大きなメイドレストランを開きたいと考えています。」若い店長は野心たっぷりに語っている。
「あの店の形式は大げさすぎる。」メイドカフェから離れた所でこんな感想を話す男性がいた。カフェの外で通行人に取材したところ、少なからぬ人が同じような感想をもらした。「メイド服が大げさすぎ」、「取るに足らない」、「カフェの話題作りだろう」といった声が多かった。
「メイドカフェについて初めて聞いた時、サービスが特殊すぎると思った。メイドのサービスが暗示的なものに思われてならない。」ある大学生は「アニメ・マンガ文化はただの話題作りだろう。いずれにしろこういう経営方法は理解できない」と述べている。
記者がインターネットで行った調査によると、参加者632人(学生が3割以上を占める)のうち、54.6%がメイドカフェに理解を示した。もし近所にメイドカフェができたら日常的に行くと答えた人は34.2%だった。
杭州のこのメイドカフェは初めての試みではない。数年前に上海でも15潤オ25歳のアニメ・マンガファンをターゲットにしたメイドレストランが登場している。
ここ数年、日本のアニメやマンガが中国で流行するのに伴い、全国各地に多くのファンが生まれている。閉会したばかりの第6回中国国際アニメ・マンガ祭でも、アニメ・マンガ産業とその文化の大きな発展が必然的な時代の潮流になっていることを感じさせられた。しかしある文化の生命力がどれぐらい続くのかは、人々による認知と受容を経る必要がある。「メイドカフェ」のような新しいものを受け入れる人もいれば、理解しない人もいる。ある意味で「メイドカフェ」はアニメ・マンガ文化の受容レベルを測る上での一つの縮図と言えるのかもしれない。
「人民網日本語版」2010年5月6日