小学校での授業 |
■大連市に赴任して
私は北海道の中学校の現職教員ですが、2009年春から約2年間JICAの現職教員特別参加制度を利用し、青年海外協力隊の日本語教師として遼寧省大連市に来ています。ここでは、西崗区教育局に配属し、区内にある四つの小中学校(現在は中学校4校)を日替わりで巡回して、日本語の授業を週に15コマほど担当しています。日本の小中学校で働くALT(外国語指導助手、Assistant Language Teacher)と立場は似ていますが、中国では外国人教師も一人で授業を担当する点で役割に大きな違いがあります。
■小学校でも日本語を
小学校では1・2年生を相手に授業をしていました。この小学校では1年生から英語の授業を週3時間、日本語の授業も週3時間行っています。日本では長い議論の末、小学校高学年での英語教育が始まろうとしているところであり、両国の違いを強く感じました。
勉強を始めて1ヶ月も経つと、多くの1年生が「こんにちは、○○(名前)です。よろしく。」と自然な発音で言うことができるようになります。やはり、外国語の勉強、特に音声の習得は若ければ若いほど上達が早いようです。三十路を前にして中国語の勉強を始めた私としてはうらやましい限りです。
また、小学生はみんなやる気いっぱいで、教えるこちらの方も嬉しくなってきます。ただ、あまりに元気がよすぎるため授業が大混乱になってしまうことも多く、外国人である私にとって教室の規律維持はなかなか難しく悩み深い活動ともなりました。
■中学校の外国語教育
中学校には、日本語を第一外国語として学んでいる生徒と第二外国語として学んでいる生徒がいます。第一外国語として学んでいる生徒は毎日日本語の授業を受け、受験科目も英語ではなく日本語を選びます。それだけに三年生ともなるとかなり複雑なことを表現できるようになります。
一方、第二外国語として学んでいる生徒は、主に英語を学びながら週に1時間程度日本語の授業を受けています。こちらは簡単なコミュニケーション能力を身につけることや異文化理解を目的としています。
外国語の授業内容は「原則として英語」とされている日本とは、ここでも大きな違いがあると感じました。(後編へ続く)
(2010年5月)
21年度1次隊 遼寧省大連市 大連市西崗教育局
日本語教師 北所康一(北海道出身/白老町立白老中学校 教諭)
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授業の様子 |
大連市内 |