浙江省の三門原子力発電所の建設現場
第3段階
今後目指すのは、核融合炉である。燃料は二重水素(デューテリウム)と三重水素(トリチウム)を使用する。海水の主な成分は二重水素であり、三重水素は金属リチウムから作られる。この第3段階には2ステップある。まずは、二重水素と三重水素の核融合の実現。次に、二重水素同士の核融合を可能にすれば、核エネルギーは未来永劫、尽きることはなくなる。
現在、わが国の核エネルギーの開発はまだ始まったばかりだ。現状として、国の電力全体の1%にしか原子力は使われていない。しかし、核エネルギーの発展は確実に軌道に乗っている。
2020年、中国の原子力発電所の設備容量は7000万~8000万キロワット(kW)に達し、中国の全電力の約7%を担うことになる。2030年には、それが2億キロワット(kW)に、2050年には4億キロワット(kW)にまで達し、全電力の15%を担うまでとなる。原子力は毎年7000~8000時間稼動し続けることができ、発電量の貢献度は22%にもなる。1年に2000時間動く風力発電とは比べ物にならない。
「まだ、原子力発電は加圧水型原子炉に頼るところが大きいと思うが、2030年には、高速増殖炉が正式に運転を開始し、中国の発電に大いに貢献してくれることを願っている。」と杜祥琬氏は言う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月27日