汝の矛で汝の盾を突けーー中国初の熱血アニメが日本にデビュー

汝の矛で汝の盾を突けーー中国初の熱血アニメが日本にデビュー。

タグ: 中国初 熱血系 アニメ映画 「魁拔」 北京大学 PR

発信時間: 2010-09-17 16:54:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

青青樹アニメ会社(以下「青青樹」と略称)が制作した国産アニメ映画「魁拔」が今年7月、欧米や日本の配給会社と契約を結んだ。日本での中国国産アニメの上映はこれが初めてという。「汝の矛で汝の盾を突け」ということわざがあるが、青青樹は「魁拔」という作品の創作に日本や欧米のアニメ大国の成熟した経験を巧みに取り入れたからこそ、中国のアニメ作品をアニメ大国に輸出する可能性が生まれた。

主人公の「蛮吉」 

ヒロインの「鏡仙」

「蛮吉」のコスプレショー

青青樹は1992年の創立いらい、国際市場をターゲットとし、中国のオリジナルなアニメ商品の海外主流市場への進出を目指している。この道を選んだのは、国内アニメ産業に対するテレビ局の購入価格が低すぎ、国内市場では海賊版が多く、周辺製品で稼ぐことが難しいという現状とも関連がある。民営アニメ会社として、青青樹が体得したことは「海外に進出しなければならない。海外市場で競争してこそ、儲かることができる」ということだ。彼らは、「魁拔」が自分にとって、どこへ出しても恥ずかしくない初の作品になることを信じている。

「魁拔」の出資者、創作者の自主意識を評価

北京大学の教師であったが、今は新東方科技グループの取締役である徐小平氏は英語教育で大学生の間で名を馳せているが、「魁拔」の出資者の一人にもなっている。これまでに実力派歌手の鄭鈞のアニメ映画「ロックのチベット犬」に出資したことがある。「魁拔」に出資した理由について、徐小平氏は「青青樹の創作者としての自主的意識は自分のGTO式の個性的な教師としての人生と軌を一にしたもので、中国のアニメ文化に革命的な影響を及ぼしたいという青青樹の強い念願は、自分の一貫した風格に合致しているからだ」と述懐している。

中国アニメの発展について、徐小平氏は「中国アニメ産業はオリジナリティを重視すべきだ。オリジナリティというのは視覚的効果だけでなく、ストーリーやデザインの細部にも現れるものだ」という見解を示している。

神様のように新しいバーチャルな世界を作り出す

「魁拔」の第1の特色は世界観の構築を重視していることだ。このプロジェクトは2005年から企画され、主人公の「蛮吉」のイメージは2007年に作り出されたもの。だが、世界観の構築だけでも二年間かかった。「魁拔」の企画者で青青樹のCEOである武寒青氏は、このように説明している。「世界観というのは、思想の改造などではなく、神様のように、観客を完全に承服させるフィクションの世界を作り出すことを指す。その世界には、それなりの生存の法則があり、それなりの物理や社会のシステムがある。その社会はいかに運営されているのか、そこに生存する種族はどれぐらいあるのか、地理はどのようなものか、といったことだ。このように設定したら、プロジェクトはアニメだけでなく、ACG(アニメ、漫画、ゲーム)と呼ばれるようになる。私たちのやっているアニメ「魁拔」はアニメ映画やテレビアニメだけでなく、漫画、図書、ゲームも同時進行で取り組んでいる。」つまり、制作段階に入るまで、前期の世界観の構築に長い時間をかけ、ACG実現のために望ましい前提を作り出しているのだ。

美しいキャラクター、熱血系のストーリー、「すべては感動のため」

そして、国際市場に進出するためには、青青樹は「NARUTO-ナルト」、「ワンピース」など日本や欧米市場で大変人気を博している少年向けの熱血作品の要素をも分析した。

分析の結果、第一の要素は造型の美しさだということが分かった。「キャラクターをきれいに描いたら、必ず日本スタイルだと思われる。そのため、私たちは、意識的に日本スタイルを避けるのではなく、まず美しさの問題を解決しようと決めた」と武寒青さんは語る。会社のウェブサイトで公開された「魁拔」の予告編を見れば、ヒロインの「鏡仙」は、日本のアニメ・漫画でよく見られる、目玉の大きな、髪の毛の長い美少女のイメージを彷彿させる。ほかのキャラクターのデザインにも日本アニメ・漫画のキャラクターの面影がないわけではない。ここからみれば、日本スタイルを意識的に避けず、作品全体の風格を統一しようとしているだけだということが読み取れる。

第二は題材である。武寒青氏によると、熱血アニメは実は、少年たちに健康的な価値観を樹立させるための題材であり、大体、少年が勇敢で我慢強く、何度挫折しても意志を曲げることなく、チームワークを学んでいくという設定だ。「魁拔」はまさにこの筋道に従っている。チームもあり、主人公の直面する問題もあり、主人公はその問題を解決していくのだ。「魁拔」の公開されたポスターには、「すべては感動のため」という文言があるが、これはまさに青青樹の熱血アニメに対する理解を表したものである。

このように、風格の面で、青青樹は日本の美しいキャラクター設定を学び、題材の面で、国際市場で受けている熱血アニメを選んだわけだ。このように創り出したアニメはそれでもオリジナルなものと言えるのか、と尋ねられると、武寒青氏は、「感情は中国人のもので、日本人、欧米人と同じわけはない。人間の異なる価値観のもとでの物事に対する反応は自然なものであり、日本や欧米の人とは大いに異なっている。だから、この面から言えば、百パーセントの中国オリジナリティだ」と答えた。

中国古典のキャラクターのイメージを借用

日本アニメの要素が取り入れられているにもかかわらず、「魁拔」には濃厚な中国的要素が漂っている。主人公の「蛮吉」は英語の「monkey」と発音が似ており、中国の古典『西遊記』の孫悟空をイメージしたもの。如意棒を勇ましく振舞いまわしている設定も明らかに『西遊記』の孫悟空のイメージに基づいている。もちろん、そのストーリーは『西遊記』とはずいぶん異なる。武寒青氏の言葉で言えば、新しい世界観を構築したからだ。なぜ思い切って『西遊記』を捨てて、初めからやり直さないのか。これに対して、武寒青氏は、「実は市場から考えたものだ。ずっと国際市場に輸出したいと思っているが、欧米人は『西遊記』とそのお猿さんしか知らないのだ。まさにテーマを与えられて作文するのと同じだ」と話す。すなわち、『西遊記』の孫悟空という海外の人たちに親しみのあるキャラクターを借用したことには、国際市場で販路を広げ、発行のリスクを減らそうとしている狙いがある。

配給はいまだに「石橋をたたいて渡る」やり方

ストーリーやキャラクターの設定などで色々と苦心したが、配給の面では依然として困難とリスクに直面している。

青青樹は国内と国際市場で同時に配給に力を入れている。国際市場から言えば、欧米や日本の配給業者はこのアニメを高く評価している。「現在の日本の一般的なアニメ業者のレベルを超えている」として、配給契約を結んだ日本の配給業者もある。だが、映画はまだ最終的にできあがっていないため、今後、予想通りに日本のスクリーンで放映されることができるかどうかは、まだ待たなければならない。

国内市場での配給はまだ見通しがついていない。配給業者は、この映画の中の日本の絵画スタイルや熱血ストーリーが多くの若いアニメファンを惹き付けるだろうと信じているが、ネットでアニメを無料でダウンロードして鑑賞するファンたちは、本当にお金を払って映画館に入らないのではないのか、と懸念している。そのため、この映画の国内での売り上げがどうなるかはまだ未知数だ。

 

要するに、創立いらい国際市場をターゲットとするようになった青青樹は、「魁拔」の創作にあたり、世界観の構築を重視し、国際市場で受けている日本の絵画スタイルと熱血ストーリーを取り入れている。また、海外市場に向けて『西遊記』のキャラクターのイメージを借用している。カンヌ国際映画祭で欧米や日本の買い手の注目を浴びたが、結局は日本を含む国際市場で予想通りに成功を収めるのかどうかはまだ未知だ。ところが、そのオリジナリティを重んじ、海外の優れた作品のノウハウの研究に努める姿勢にはエールを送りたい。

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