中国社会が目覚しく発展するにつれ、政治や経済、貿易、社会、文化、生態、環境など様々な分野では、毎年、数多くの新語が生まれ、中国語が豊かになる一方で、対外宣伝や対外交流の難しさも増えている。そうした背景の中、中国翻訳協会対外報道翻訳委員会が主催し、中央編訳局がアレンジした中日翻訳研究会第4回セミナーが20日に北京で開催された。
セミナーには、文化部対外連絡局、中日友好協会、中華全国総工会など、中国各部門の一線で活躍する翻訳の専門家や、中国網(チャイナネット)、北京週報、中国国際放送局、中央テレビなど、日本向けの報道や交流に携わっている関係者たちが、日ごろの翻訳作業で抱える問題や課題をめぐって討論を繰り広げた。
中央編訳局の王学東副局長は開幕式のあいさつで「中国語の新語の翻訳を即時に討論し規範化させることは非常に必要で、重要な意義がある。これは中国の対外宣伝や対外交流の健全な発展を促すことができ、翻訳者たちの交流強化や、翻訳に関わる人たちの育成促進などの面で役立つだろう」と語った。
セミナーでは、「重慶打黒(重慶市での暴力的犯罪組織取締り)」、「三網合一(電気通信、放送、インターネットの3つのネットワークの融合を図る「三網融合」)」、「富二代(富裕層の二世)」、「動車組(独立走行システム車両編成)」など、中国の政治や経済、社会生活の中で使われている独特の表現を、いかにして日本の人たちに分かりやすく表現するべきかといった問題が幅広く話し合われた。
これまで3回にわたって中日翻訳セミナーをアレンジしてきた北京第二外国語大学の邱鳴副院長は、「真理を求め、実務を重んじる」という原則に基き、今回のセミナーの準備作業を行った専門家たちに感謝し、このセミナーが交流のプラットフォームになり、中日の翻訳事業に役立つことを期待していると語った。
また北京第二外国語大学で日本語を学んでいる一部の院生も参加し、「今回のセミナーに参加して分かったのは、中日の対訳はとても重要なことと、その作業は並大抵ではないということだ。新語の翻訳に関する専門家たちの見解はとても勉強になった」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月22日