中国国家統計局の発表によると、中国のGDPは第2四半期に日本を超えて世界2位になった。現在の中国人1人当たりのGDPは日本と比べてかなり開きがあるが、中国の台頭は日本の「落日」を意味し、複雑な気持ちで中国の経済成長を見つめている日本人は少なくない。しかし中国の経済成長は日本にとって本当に脅威なだけなのだろうか。中国の驚異的な成長を支える国家システムの秘密は何だろうか。長江商学院ブックトークでは先月26日、こうした問題を解明するために在中国日本国大使館経済部参事官の柴田聡氏をゲストに迎えた。
東京大学経済学部を卒業し、スタンフォード大学で修士号を取得した柴田聡氏は、大蔵省(現財務省)で金融庁監督局課長補佐、財務省主計局主査などを歴任後、2008年6月から在中国日本国大使館経済部参事官として、中国を観察する最前線で活躍している。
ブックトークで柴田氏は、今年10月に出版されたばかりの著書『チャイナ・インパクト』の内容をもとに、政経一体システムの機動性の点から、中国経済の急成長の秘密を分析。中国政府の本音や、豊富な経済データーを基にした制度分析は、北京駐在の外交官ならではのもので、同著書は中日関係が緊迫する今、日本の人が中国の正確な姿を知るための必読書だと日本のメディアは評している。
柴田氏はこの本を書いた理由について、「日本で出されている中国を紹介する本は、中国脅威論、バッシング、マニアックな内容のものが多く、一般のビジネスマンや学生など、中国経済の現状や仕組みを知りたいと思っている人にとってなかなかいい本がなかった。そんな中で、新しいタイプの中国経済論を著し、もっと客観的なアングルから読者が消化しやすい形で、自分が中国の政治や経済について考察した結果を紹介したいと思った」と話す。
チャイナネットは柴田氏に『チャイナ・インパクト』の内容について取材した。