「彼の偉大な愛は時空を越え、国境を超えるものだった。」日本の若きフォトグラファー坂本泰士さんは山崎宏さんについて、このように語っている。2009年12月、坂本さんは山崎さんを訪ねるため、東京から山東省済南市にある彼の自宅と診察所に向かった。5日間に渡る滞在で坂本さんは、山崎さんの生活のささやかな出来事の数々をレンズで切り取った。それから一年後に彼が私たちの元からあの世へと旅立っていってしまうことなど、この時は知る由もなかった。彼の訃を聞いた坂本さん(29歳)は再び、この済南の地を訪れ、山崎さんの軌跡を彼のカメラで辿ることにした。
記者が坂本さんに出会ったのは、山崎さんの生前の自宅を訪れたときだった。山崎さんの娘である山雍薀さんと夫は、熱心に坂本さんをもてなしているところだった。去年、彼が山崎さんを撮影した写真は日本の「世界」と言う雑誌に載せられていた。坂本さんが手元に持っていた「世界」に掲載された山崎さんの穏やかで気さくな笑顔は再び私たちの目の前に蘇っていた。
昼食後、坂本さんはすぐに仕事を始め、山崎さんが愛用していた品々を写真に収めていた。何十年も前の救急箱、聴診器、様々な証明書、日本の友人との手紙などの形見がまだ残っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年12月8日