中国EC市場の水先案内人
――山本達郎氏が語る「僕が中国で起業したわけ」

中国EC市場の水先案内人
――山本達郎氏が語る「僕が中国で起業したわけ」。 2006年に創業し、清華大学正門の近く、中国のシリコンバレーと言われる中関村に本拠地を置く北京ログラス社は、日本企業だけでなく中国企業に対してもその水先案内人の役割を果たしている。「80後」(バーリンホウ、中国語で1980年代生まれの人を指す)の山本達郎社長に、中国EC市場とログラスの成長戦略について聞いた…

タグ: EC 水先案内人 中国 起業 中関村

発信時間: 2010-12-28 13:53:49 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

スピード感を持ち 

新しさを常に追求

――ビジネスは非常に順調ですね。

全てが順風満帆に進んできたというわけでもありません。

弊社では、2007年からSEO(検索エンジン最適化)のサービスを始めましたが、当初はSEOという手法が中国ではまだ新しく、よく話を聞いてもらえましたが、08年には雨後の竹の子のようにSEOを行う中国企業が現れ、価格競争が大変激しくなったりしたこともありました。

――営業では、山本総経理自らテレアポ等もされたのですか。

はい、私もやっていました。ただ、やはり中国語の発音があまり良くなかったので、「どこの人ですか?」と聞かれ、初めは「ウォーシー リーベンレン」(私は日本人です)などと答えていました。しかし日本にあまり良い感情を持っていない人がいて、電話を切られてしまったり、「日本人がなんでテレアポをしてるんだ?」と聞かれて、起業話をさんざん話させられた挙句、最後にはインターネットは興味ないと言われたりしました。

そこで、そのうちに自分で勝手に中国人の名前をつけ、発音が悪いと言われると、「南方出身です」とか「香港人です」などと言って、アポを取り、直接会ってから「実は日本人です」と話すと、気に入ってもらえたりしました。

創業以来ずっと中国のインターネットビジネスの世界に取り組んできましたが、業務内容は変わっています。もともとはアフィリエイト広告の営業を行っていましたが、SEOやSEMを行うようになり、SEOも価格競争が激しくなってきたため、ECサポート事業も行うようになりました。インターネットという軸はブレないようにしながら、市場のニーズを汲み取って、いつも社会や企業の役に立てるサービスを提供したいと思っています。

――山本総経理が自らテレアポをしていたとなると、中国企業のお客さんも多いのではありませんか。

最近では、自分ではテレアポをしなくなり、中国人の社員に任せることにしています。今のところ、クライアントの数は中国企業と日本企業でそれほど違いませんが、金額は日本企業のほうが多いです。

――中国では2億以上の人がインターネット経由で商品を買っています。これは3年前には想像できなかったことです。

私が中国EC市場の変化をはっきりと意識したのは、2009年頃からでした。同時に日本の元気なさをも感じています。日本の新聞を読んでいても、経営改善のニュースでは、経費を数%カットすることに成功したなどという記事を見かけることが多いです。

もちろんそれも大切なことですが、やはり市場が成熟してきていて、何かが爆発的に売れるとか、成長するというものが少ないように感じています。隣の国の中国には、急速に拡大する一大市場があります。13億いる中国人のうち、約2億の人がインターネットでから買い物をしています。まだその比率が低いため、これからも増えていって、日本の人口の2倍以上にもなるでしょう。

そこは日本企業にぜひ注目してもらいたいと思いますし、中国市場と一緒に発展することで、売上の向上はもちろん、雇用の創出にも繋がるでしょうし、もっと日本が元気になってくれたらと思います。

 

減点主義から脱却して  成功するまでやり続ける

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