中国EC市場の水先案内人
――山本達郎氏が語る「僕が中国で起業したわけ」

中国EC市場の水先案内人
――山本達郎氏が語る「僕が中国で起業したわけ」。 2006年に創業し、清華大学正門の近く、中国のシリコンバレーと言われる中関村に本拠地を置く北京ログラス社は、日本企業だけでなく中国企業に対してもその水先案内人の役割を果たしている。「80後」(バーリンホウ、中国語で1980年代生まれの人を指す)の山本達郎社長に、中国EC市場とログラスの成長戦略について聞いた…

タグ: EC 水先案内人 中国 起業 中関村

発信時間: 2010-12-28 13:53:49 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

減点主義から脱却して

成功するまでやり続ける

――そのような日本企業が中国市場を開拓する場合、なにか阻害要因はありますか。

それにお答えする前に、Kappa社の例をお話しします。同社はもともとイタリアの会社でしたが、2002年に中国に進出しました。当初は思うように業績が上がりませんでしたが、2005年に中国企業が買収し、その後業績が改善して、2007年には香港で上場を果たしています。

同社は09年にタオバオに出店しているのですが、6月に最初の提案があり、7月末には出店を決定、8月の1ヵ月間で準備を行い、9月からオープン、11月にはセールを実施して、1日で405万元を売り上げる等、目覚ましい成果を上げています。

日本企業は、おそらくこのようなスピードを出すのが非常に難しいと思います。出店する前にまずリスクを探し、「こんな問題もある、あんな問題もある」と、100点満点から少しずつ減点していきます。7割位まで成功確率が下がってしまうと、出店の判断ができず、最終的にはなかなか決定ができません。

一方、中国企業は加点主義でモノを考えるところが多く、「こんなに良い点がある、あんなにメリットがあると考え、問題もあるが、こうすれば解決できる」と考えて、0点から考えてプラスして行き、7割の成功確率なら、とりあえずやってみようと、出店します。最初はうまくいかないことがあっても、問題を解決しながら、最終的に成功していくのです。

――それでは成功は保証されませんね。

そもそも、ビジネスで100%成功することなんて、ありえません。リスクや問題があっても、それを先回りして考え、何が何でも成功するまでやるんだと強い意志を持って問題を解決して、努力し続けることが大切なのではないでしょうか。

しかも中国のECは、10年には約6兆円規模になり、09年の倍となります。1年間で2倍以上に成長する市場があるのに、手をこまねいているのは、非常にもったいないことだと思います。

――それでも中国市場は日本と違い、進出するのは簡単ではないと思う日本企業は多い。

日本市場との違いは、もちろんあると思います。例えば、色の好みから、サイトのデザイン、写真の撮り方やチャットの仕方など、細部ではいろいろ違います。ただし、それは本当に取り組もうと思えれば、決して乗り越えられないものではありません。

成功の物差しは社会への貢献度

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