中日両国の交流は2千年余りの歴史がある。しかし、日本人の国民性に対する理解はまだまだである。中国社会科学院で働く本書の著者は、この文化を比較した著書の中で、多くの史料や日本での留学経験を活かし、日本国民全体を眺め、その複雑な内なる世界を探求した。これは我々が一衣帯水の隣国に対し、正しい理解を持つことに役立つだろう。また、それによって自分たちの国を省みることで、良い刺激になるはずだ。
昔話「桃太郎」の意味
日本人なら知らない人は居ない伝説の人物が居る。その名も「桃太郎」。精神的シンボルとして、桃太郎は深く日本人の魂の中に根付いている。
桃太郎の成長は神がかり的な要素が強い。桃から生まれ彼を拾った老夫婦は、宝物のように大事に育てた。小さな桃太郎は、ご飯を一合食べると一寸成長し、二合食べると二寸成長するという驚異的なパワーを持っている。そしてまもなく、彼は賢く立派な少年に成長した。
体は小さくても、大きな志を持った桃太郎。鬼が島の鬼が村の人々を苦しめていることを知った彼は、鬼退治に行く決心をする。必死に止めようとしても聞かなかった桃太郎のために、老夫婦は日本一美味しいきび団子に、手作りの新しい服、そして戦いに使う刀を用意した。桃太郎は道中、犬、キジ、猿と出会い、家来にして、共に鬼が島に向かったのだった。
鬼が島に着いたちっぽけな彼らを見て、鬼たちはすっかり油断していた。しかし、一度戦いが始まると、桃太郎たちの強さに押され鬼は惨敗した。そして、鬼たちは金銀財宝を全て桃太郎に与えたのだ。