「日本新華僑報」は16日、「中国の経済規模は世界2位になり、このデータは中国が改革開放ですばらしい実績を得たことを示すが、中国が大国になる過程で得た最初の実績にすぎないことに注意しなければならない。国民の幸福指数の向上を、中国の経済・社会の調和のとれた発展を評価する重要な目印にし、中国の経済・社会の発展の基礎とすべきだ」とする文章を掲載した。
中国のGDPは2010年に日本を超え、世界2位の経済大国になった。日本政府は先ごろ、2010年のGDPは54742億ドルだったと発表した。中国政府はその前にGDPが5兆8786億ドルに達したことを発表しており、日本を4000億ドル上回った。中国の経済規模は世界2位になったが、それにより日本が行き詰まることはない。財務大臣は、日本は中国とGDPの順位を競争したりせず、経済の発展は順位の前後を争うことでなく、日本の国民に幸せな生活を送らせることだとの考えを述べた。財務大臣のこの言葉は極めて重要なことで、日本だけでなく、中国にも該当する。
GDPを増やす最良の方法は、輸出、投資、内需拡大の3つだ。輸出については、世界でよく知られる「メイド・イン・チャイナ」は労働力が廉価で、GDPを1元増やすのにさらに多くの中国の労働者が必要になる。労働者は中国の経済成長の原動力だが、経済成長から利益を得ておらず、彼らに幸福感はあるのだろうか。
中国の社会保障・福祉制度はまだ構築の初期段階で、都市、農村の医療、教育保障の構築はすべてをカバーしておらず、医療資源はまだ後れ、政府の教育分野への投資と社会のニーズに大きな差がある。また、家庭の教育支出の割合が高すぎ、先進国と非常に大きな差がある。
オランダのエラスムス大学は、中国の国民の幸福感を3回調査したことがある。1990年の国民の幸福指数は6.64で、1995年は7.08に上がったが、2001年には6.60に下がった。米ミシガン大学社会調査研究所が2009年12月に公表した幸福指数の調査によると、中国人の幸福感は下がり続けている。
国民の幸福指数は、経済・社会の調和のとれた発展により向上するもので、社会の構築がさらに重要だといえる。中国の温家宝総理は第11期全国人民代表大会第3回会議の政府活動報告で、「人民がより幸福になり、より尊厳ある生活を送る必要がある」と述べている。これこそが、中国が大国として台頭する本当の方向と発展のねらいだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月18日