中国で活躍している国外の俳優は多く、矢野浩二さんもその一人だ。芸能界で這い上がってきた道は簡単なものではなかったが、彼は今、中国で最も成功している外国人俳優であると言っても過言ではない。
抗日戦争をテーマーにした映画での「日本鬼子」役から始まり、テレビ番組「天天向上」の司会「天天兄弟」まで、矢野さんは諦めずに必死に努力し、芸能界でついに自身の居場所を見つけたのだった。有名な芸能評論家である董啸氏は「中日間には払拭できない苦い歴史がある。しかし、それはあくまでも過去のことであり、矢野さんが責められる標的となってはいけない。彼は中国に俳優として生きていく道を探しに来たのであって、侵略しに来たわけではないのだから、中国人の敵ではないのだ。日本人にとっても、彼は決して裏切り者ではない。矢野さんの国籍は日本のままだ。以前、囲碁の棋士である呉清源氏が日本籍に帰化したとき、理解できずに『売国奴』と罵った人たちがいたが、その声も徐々に静かになっていったではないか」と述べた。
矢野さん自身も「自分は祖国である日本を愛しているし、中国も愛している。中国の文化も歴史も人々も、すべてが大好きだ」と言っている。現在、矢野さんには中国人の奥さんと娘がおり、中国の地で自分の家庭を築いている。彼は「二つの国の愛が自分にはあり、この上なく幸せだと感じている」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月4日