福島原発で作業を続ける高山幸夫さんはロシア紙の取材に対し、「自分たちを英雄とみなすべきではない」と語った。高山さんは東京消防庁・ハイパーレスキュー隊の隊長で、消火ではなく廃墟での捜索救助を主要任務とし、これまでに中国、タイ、インドネシアで救援活動に参加した経験をもつ。
高山さんによると、作業員の多くは自ら望んで福島原発で作業をしているという。毎日の作業は3号機の使用済み核燃料プールに海水を注入するという非常に簡単なもの。今は海にポンプを設置する準備を進めており、800メートルの長さのポンプが海水で流されたり、海岸にぶつからないように適切な方法で固定しなければならないという。
このほか原子炉近くで専門家とともに約30分間の測定を行うこともよくあり、もしもの時に備え、全作業員が避難するために、1秒でエンジンのかかる車両が用意されているという。「われわれは給水を確認した後、(原発を)離れます。(その後の作業は自動でできる)その後しっかり放射線物質を洗浄し、医者が数値の測定と全面的な監護を行いますが、すべて正常です」と高山さんは話す。
高山さんはメディアが彼らに注目していることに驚いており、「自分たちは英雄ではない」と語る。「最近、東京の市長が自分たちと接見し、目に涙をためて感謝の言葉を述べました。お堅いイメージのある政治家があんな表情を見せたので驚きました」。「岩手県、宮城県の救援隊員の多くは家族を失っても、日夜休む間もなく私たちの家族を捜索しています。彼らこそ英雄です!」と高山さんは胸中を語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月31日