彼を支える女性撮影スタッフ
『FRUiTS』に登場した原宿のファッションリーダーたち
彼の仕事場は、原宿の静かな通り沿い、表参道ヒルズから5分ほどのところにある。戸建てのデザイン感あふれる建物の中で、1階が洋品店、2階が彼の作業場所となっている。
55歳の青木氏は、いたって平凡な顔立ちで、50㎡ほどの作業部屋はたくさんのパソコンと大きな会議テーブル、そして積み上げられた箱いっぱいの雑誌であふれている。パソコンのデスクトップにもたくさんのアイコンが並んでおり、ストリートスナップの巨匠と言うよりは、忙しすぎて目が回りそうな平面デザイナーのようだ。
現在、彼が手がける月刊誌は、国際的知名度を誇る女性用ストリートスナップ誌『FRUiTS』のほかに、男性用ストリートスナップ誌『TUNE』と欧米ストリートスナップ雑誌『STREET』の3冊。編集スタッフは彼を入れて4人いる。
今では、彼自身が直接撮影に出向くことはほとんどなく、主に編集総括を行っている。撮影は主に3人の女性スタッフが行っている。彼女たちの年齢は25歳前後で、専門はファッション関係だが、撮影に関してはプロではない。
「Nina、Gurigo、Tomoyoはみんな『FRUiTS』に載ったことがあるよ。」青木氏によれば、彼のスタッフは流動的で、みんなストリートスナップの被写体タイプだったという。女性スタッフで、しかも被写体経験者であれば、初対面でも撮影させてもらいやすくなる。彼女たちが、青木氏と被写体となる若者たちとの間のジェネレーションギャップを埋める役割を果たしているのだ。
街いっぱいの「フレッシュフルーツ」