記者:長きに渡って産業チェーン全体の川上にいた日本部品メーカーの中国移転加速が、中国本土の自動車部品産業にもたらす影響とは?
王青氏:まず、日本の部品メーカーの大規模な中国移転によるコスト削減は、日本部品メーカーの競争力を高め、中国部品メーカーにとっては大きなプレッシャーとなる。しかし、その一方で中国の関係技術のレベルアップや、人材育成、管理モデルの向上等、プラス面でのスピルオーバー効果も期待できる。
白益民氏:中国本土の自動車部品メーカーにとって、これはチャンスではなく、脅威である。中国には確かに安価な労働力と大量の人材が存在し、合弁会社や日系企業等を通してスピルオーバーした価値を得られるかもしれないが、人材の育成において、日本と中国ではその方法が全く違う。人材の育成には、日本の終身雇用制の方が有利であるが、中国はまだまだ市場指導型の人材方式である。
記者:新エネルギー自動車の分野における日本の部品メーカーの中国での戦略図とは?
王青氏:中国は新エネルギー自動車、特に電気自動車に必要な自然資源が豊富で、日本が世界市場における一定の地位を確立するためには、中国の力が不可欠だ。今後は、日本も動力電池の方面で、各種投資や業務提携など様々な形で、中国における戦略図を拡大していくだろう。
白益民氏:日本企業は高度な電子・電気の設備と技術を持っており、例えボディが中国製の自動車でも、それを大いに活用することができるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月9日