翻って、この過ぎ去ったブームを思うと、日本が美術品市場で惨敗したのは、まず自国の美術品消費市場の受け入れ能力をぼんやりとしか把握していなかったことにあるだろう。「風見鶏」の意味を持つハイエンド製品市場が開放されてから、収蔵品の配置や価格相応の中間層市場を促進しなかったことも原因だ。また、美術品価格の瞬間的な高値と大勢におもねって下心をもって値を吊り上げる輩により、徐々に悪循環が形成され、最終的に大量の中、下クラスの西洋美術品が大量にどんどん入り込み、価格を雪だるま式に拡大していった。しまいには現在、大量の高価格で市場の見込めない捨てるに捨てられない美術品を生み出すことになったのだ。
こうして、今日の日本人は高額美術品に対して、痛みを覚えるだけでなく、痛いとき以外はすでに感覚がなくなってしまっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月4日