自殺防止対策の効果は限られる
「世界新聞報」の日本駐在記者は取材中、ある避難所で一人の男性被災者が首吊り自殺を図り、数人の男性に助けられるのを目にした。どんなストレスが1人の人間にこのような方法で命を絶つ決心をさせたのか、記者は困惑した。
分析によると、震災後数年、再建に向けて努力する中で、日常生活で直面する水利用や停電などの小さな出来事でさえ憂鬱を引き起こす可能性があり、災難の影響は徐々に生活の中に浸透するという。このような人たちは一番もろく弱い。1995年の阪神・淡路大震災の後も日本で自殺者が激増し、当時6400人以上が震災後に自殺を図った。自殺者の中には神戸市の助役もいた。
実は、日本政府は早くから自殺予防に向けた機関を設立し、民間と協力して自殺防止に努めてきた。そのほか政府は、鉄道飛び込み自殺をした人の家族にダイヤを乱したとして罰金を要求する規定を設けた。ところが、このような規定により鉄道飛び込み自殺は減ったものの、残念なことに自殺者数は減っていない。
地震と津波、放射能漏れ事故という度重なるダメージを受ける中で、日本人は落ち着き、秩序を保ち、たくましい一面を世界に示した。しかし、「世界新聞報」の日本駐在記者は震災後数カ月の追跡取材で、間近で目にしてはじめて日本人の落ち着きの背後にある悲惨な状況を知ることができるとわかったという。記者は福島県を取材中、避難所で生活する被災者が帰宅を心から望んでいることを知った。彼らはふるさとを離れたくない、見捨てたくないと思っている。
放射能の脅威により、原発の周辺住民は今も避難所での生活を続けている。また、次々と現れる放射能漏れ事故による新たな問題は、解決に多くの不確定性を生じさせるだけでなく、被災者に大きな不安をもたらしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月8日