日本「セシウム牛」ショックで明るみになった問題

日本「セシウム牛」ショックで明るみになった問題。

タグ: セシウム牛 官僚体制 

発信時間: 2011-07-20 16:33:06 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

大地震、津波、原発事故発生から間もなく日本政府は福島第1原発の半径30キロメートル以遠であれば「安全圏」と位置づけた。科学的で絶対的な根拠を示す必要があるはずなのに、それを証明するための調査をしなかった。また、30キロメートル圏外にある地域に対し、中央省庁、地方自治体ともに、放射能汚染予防のための対策をほとんど採ってこなかった。実際のところ、南相馬市の畜産農家が、30キロメートル圏外の地域でも安全基準を超過する放射線量が検出されているという情報をテレビや新聞で知ることがなければ、牛の餌である稲わらを友人宅から借りた放射線量計測器で計測することもなかっただろう。結果として、基準値の10倍もの放射線量を示すことに驚いたその農家が福島県庁に届けたことから、福島県の当局がようやく調査に乗り出したのである。その経緯がなければ今でも畜産農家は何も知らずに「放射能汚染肉牛」を出荷し、同じく何も知らない日本国民はその汚染肉をたらふく食べていたかも知れないのだ。

「汚染牛ショック」により、中央省庁と地方自治体間のスムーズとは言えない関係が明るみになった。食品の放射線量の検査を全国一律で実施する制度が日本にはないため、そうした検査・業務はすべて各地方自治体の関係当局が行なっている。もし、未曾有の原発事故が起こった後すぐに、日本政府が迅速に全国一律検査制度を実施していたら、こうした問題をもっと有効に処理できていたに違いないだろう。全国一律とまでいかなくても、各地方自治体が中央省庁の指示を的確に全うできる体制があれば問題はなかったのである。「汚染牛ショック」が起こった原因の一つは、各地方自治体が中央省庁の指示を、農家に的確に伝えていなかったことに他ならない。

暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたその畜産農家の稲わらは屋外に保管されていたものであった。日本政府は3月19日には、屋外に保管している飼料を家畜に与えないように原発事故の被害を受けた各地方自治体に指示している。だが、その中央省庁からの指示は、各農家に的確に伝わっておらず、稲わらは安全だと見なす農家も数少なくなかったのである。

原発事故が起きてから、日本産の海産・農産・畜産物が世界の市場から疑問視されるようになっている。日本産食品の全部あるいは一部を輸入禁止している国も少なくない。日本の官僚・国民が努力すれば、時間とともに日本産の食品もその信用を取り戻すだろう。この度の「汚染牛ショック」は二次災害であることは間違いない。海産・農産・畜産物の日本ブランドとしての信頼を取り戻すには、中央省庁が毅然な態度で素早くその対応に当たることが不可欠になっている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月20日

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