文=鳳凰網評論家 俞天任氏
9月29日に打ち上げに成功した天宮1号は、中国の宇宙開発が新時代に入り、宇宙探求の前衛基地となる有人宇宙ステーションの建設に向け重要な一歩を踏み出したことをあらわしている。日本の大手メディアは当然このニュースを取り上げた。
ただ意外だったのは、このニュースが日本でさほど大きな反響を呼ばなかったことだ。ほぼ全てのメディアが「中国の宇宙開発が軍事に応用されるのではないか関心が集まっている」という形式的な言葉を付け加えただけだった。
宇宙開発問題は日本では常に不明確な問題であるため、宇宙開発というと日本人は軍事的脅威のほかに何も思い浮かばない。
実際に日本が宇宙開発に取り組み始めたのはそう遅くはない。日本はソ連、米国、フランスに続いて4番目に人工衛星を打ち上げた国だ。1970年2月11日に打ち上げられた日本初の人工衛星「おおすみ」は中国の「東方紅1号」より2カ月早かった。この衛星は宇宙空間に33年間とどまり、03年にようやく役目を終えた。日本の宇宙航空事業の典型的象徴といえる。
日本は第二次世界大戦の敗戦国であるため、最初宇宙事業といわず、宇宙技術の研究・開発でさえ禁止されていた。そのため日本のその後の宇宙政策は迷路から抜け出せずにいる。日本が自主開発したH-2AロケットとH2-Bロケットは技術・性能的に優れているが、国際競争でその姿はあまり目にしない。その根本理由は日本人自身も何をすべきかわからないからだ。