このため、これほど力を持った組織が、政府が禁煙運動を始めたからという理由で、その影響力を縮小するはずがない。タバコ売上高確保・シェア死守のためにはどんな手段でもいとわない覚悟で臨むはずである。こうした中で、同社は女性喫煙者への販路を拡大しており、日本人女性の喫煙率は約10%に達している。また、中高生のタバコ重要にも目をつけている。なぜなら青少年こそが同社の将来を握る存在であることに気づいているからだ。
また、日本の政権闘争も禁煙運動を阻害する原因の一つとなっている。日本たばこ産業は名実ともに日本を代表する巨大「財閥」である。数多くのスポーツイベントに協賛しているだけでなく、莫大な政治献金を行なう政党の「大スポンサー」でもある。どの政党であっても、こうした大企業を切り捨てることは出来ず、常に顔色をうかがう有り様だ。こうして、タバコに関する政策を制定しようとする度に、政党間の利権争いが繰り広げられるのである。
今年9月の閣議で小宮山洋子厚生労働相がたばこ増税に関しての発言を行ない、物議を醸したのは記憶に新しい。同相は「たばこ増税は税収を上げるためではなく、健康を守るためのものだ」とし、厚生労働省の所管にすべきだと主張している。だが、安住淳財務相は「たばこ税の所管は財務省にある」と譲らない構えだ。また、日本2大野党である自民党および公明党も猛烈な反対意見を出しており、最終的にたばこ税の増税は見送られる形となった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月12日