北京で春節を過ごしたのは今年で9年目になる。春節前になると、「春節は実家で過ごすの?」「いつ帰省するの?」などの会話をあちこちで耳にし、いよいよ新年という感じがする。年に一度しか帰省しない人も多い。また、中には列車で何十時間もかけて家に帰る人もいて大変そうだが、みんなとてもうれしそうである。
中国の春節は、日本の正月と共通している部分もある。
大晦日には、多くの人が年越番組『春節聯歓晩会』を見る。日本で言う『紅白歌合戦』のような存在で、番組関係者は半年も前から準備を始めるそうだ。
そのほかに、親戚回りをしたり、子どもにお年玉をあげたり、初詣に行くなどの習慣もある。
逆に、日本と異なる部分もある。
中国では、花火や爆竹を鳴らして新年を盛大に祝う。北京では花火と爆竹は普段禁止されているが、春節期間中だけは特別に鳴らしてよいことになっている。『春節聯歓晩会』が終わるころ、街のあちこちで爆竹の音が鳴り響き、隣の人の声も聞こえないほどのにぎやかさだ。このように盛大に新年を祝う中国の人たちが日本の静かな正月を見たら物足りなさを感じるのではないだろうか。毎年、中国で新年を過ごす私は、このにぎやかな春節を過ごさないと新年を迎えた気がしなくなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月29日