耐え難いストレス
いい若い者が、どうして仕事を探して自活せず、ホームレスに甘んじているのか。匿名を条件に何人かの若者が記者の取材に応じ、その複雑な心境を吐露した。20歳を超えたばかりのホームレス青年は、高校卒業後に就職している。普通の会社員として働いていたが、1年後にはストレスを強く感じ、仕事もつまらなく思うようになった。会社や社会での様々な人間関係に耐えられず、辞表を提出した。彼の言葉で言えば「この仕事は私の夢見たものではなかった。だから辞めた」のだ。言い訳に過ぎないにせよ、若者には自分の夢と将来への抱負があった。要するに、新たな計画と自分の人生に対する自分なりの考えを持ちながら、多くのホームレス青年は、住処に対する準備もないままに会社を辞め、社会に出ていくのである。この青年はいつも中ぐらいのキャリーケースを引きながら各地を放浪する。彼はその中身を見せてくれた。数少ない家財の中には、両親が買ってくれたスーツがあった。新しい会社で働きたいと考えているため、常にこの1着を持っているのだ。それ以外に、彼の趣味なのかアイドルなのか、いま日本で流行しているAKB48のブロマイドもあった。青年は、よく秋葉原そばの野宿地点に行く。そこにAKB48の大きな広告が張り出されているからだ。当初持っていた100万円以上の金が瞬く間になくなってしまったが、自分の夢はまだ見つかっていない。また彼は、会社を辞めたことを両親に伝えていない。「家に戻るのも恥ずかしいし、帰りたいとも思わない。何にせよ外での生活は自由だから」と記者に言う。
長引く経済不況