長引く経済不況
長引く不況が、日本での就業を厳しいものにしている。若年層の職探しはますます困難になり、仕事上のストレスも増すばかりだ。将来に対して希望を持てない抑圧的な感情が、若者を心身ともに疲弊させる。それが時には仕事に対して後ろ向きの気持ちにさせるのだ。仕事のストレスは、本質的には日本社会の伝統といえる。日本人の顧客に対する周到なサービスや笑顔の背景には、感情面や仕事上のストレスに対する忍耐がある。若者が社会に出て会社員になれば、これまでどんなに自由だった人でも、全身全霊で働かなければならない。個人的な感情を仕事に持ち込んではならない。高度経済成長のときには、仕事や生活がどんなに辛くても、将来の希望や仕事への憧れが、情熱的に働く動機になりえた。しかし長引く不景気が、日々積もるストレスや見通しのない将来を表面化させた。ストレスやうつ病という形で個人に降りかかってきたのである。最悪の場合、正常に仕事ができなくなる状態にもなる。弁護士の福原崇子さんは元々、大企業である日立製作所に勤務していた。会社の要求する仕事量は非常に多く、ストレスがたまるばかりだった。会社の同僚はそのストレスに耐えきれず、心身ともに悪い状態が続いた。不眠症になり、時間通りの出勤もままならなくなった。内心ではきちんと仕事をしたいと思っていても、不眠症によって午前11時に出社するのがやっとになった。正社員である彼女に、会社は猶予期間を与えた。しかし心身の失調は改善されず、最終的に仕事を続けられなくなり、彼女は失職した。
日本社会を包む巨大なストレスにより、多くの人がうつ病や精神疾患に悩まされている。若者も例外ではない。うつ病や心身状態の悪化が続けば、仕事は続けられなくなる。長期的な失業となれば、蓄えも底をつき、最終的にはホームレスへと堕ちてしまう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月3日