節約生活
1月13日付「東京新聞」によると、2011年9月、日本全国で生活保護を受ける人は206万人以上に上り、最多記録となった。2008年の金融危機以降に現れた新しい問題として、働く能力のある家庭でも生活保護を申請し始めたことがある。
昨年末、野田首相は過去20年を「日本経済の失われた20年」と述べた。思い起こせば、20年以上前に起きたバブル経済のときは、日本人は鼻息が荒く、金を湯水のごとく使っていた。東京の地価総額でアメリカすべての土地を買えた。当時、すべての人が日本の土地はまだ上がると思っていた。使い道のなくなった巨額のマネーは、世界各地への投資へと向かった。その後「失われた10年」がやって来たが、まさか「失われた20年」になるとは誰も予想しなかった。何年間も経済の底を徘徊し、ほのかに明かりが見えたころ、天災が襲った。この20年間、日本経済は不振が続いた。庶民の金銭感覚も一変したように感じる。多くの日本人が、こまごました節約に走るようになった。100円ショップに行ったり、特価品に行列を作ったり、中古マーケットで「お宝」を探したりなどである。
記者の知る教師、田端克敏さんは、書道家だ。東京学芸大学書道科の12期生である。1月14日、12期の卒業生が、銀座鳩居堂ギャラリーで共同書道展を開催した。会場に訪れた記者を見た田端先生は、ため息を付いて記者に言う。経済が良かった頃は、展示された自分の書道作品をその場で買ってくれる人が現れた。現在は、こんなに長い期間展示しているのに、一人も買ってくれないというのだ。会場使用料の十数万円は自分で出さなければならない。記者は、会場に訪れる人が多くないことに気付いた。来場しても、そのほとんどがすぐに帰ってしまう。現在、羨望や嫉妬の眼差しで中国を見る日本人が筆者の周りに増えている。いま金持ちなのは中国人だと言うのである。日本のテレビ番組でさえ、よく中国の富裕「現象」が取り上げられる。たとえば、中国の豊かな農村で高層ビルが建てられていることだ。これを日本のテレビ局は大々的に報道する。番組の出演者は感嘆の声を上げ、また、中国経済の発展に驚く。中国の富豪が、彼らを非常にびっくりさせているのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月3日