2月20日午後、日本の愛知県名古屋市の河村隆之市長が、南京市の政府関係者との会談で「南京大虐殺」について言及し、「そのようなことはなかった」と発言した問題で、「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館」(「中国侵略日本軍南京大虐殺遇難同胞記念館」の意)の朱成山館長は非常に憤慨しており、河村たかし市長は歴史を誤認していると怒りをあらわにした。
朱館長は「名古屋市長が、中日間にあったこの歴史的事実について個人の経験に基づいた主観で歴史的事実を憶測して、大変に無責任な発言をしたことは、あまりに不謹慎である。日本軍が中国を侵略し南京大虐殺を行ったことは、極東国際軍事裁判の判決ですでに確認されている事実であり、膨大な史実がこれを証明している。」と発言した。
20日、中国外交部の洪磊報道官は、定例記者会見でこの件について、「南京大虐殺は日本軍国主義が中国侵略戦争において犯した残虐な犯罪行為であり、明確な証拠が存在し、国際社会ですでに定説となっている。日本の一部の人々は、この歴史的事実を正確に認識して対処し、しっかりと歴史的教訓を汲み取るべきである。」と述べた。
日本の産経新聞2月20日の報道によれば、河村市長は20日、会談中に「南京大虐殺」に言及し、「1937年の“南京事件”(日本では南京大虐殺をこう表現する)の頃、通常の戦闘行為はあって残念だが、“南京事件”というのはなかったのではないか。」と発言した。
河村市長の父親は、中国侵略戦争に参戦した日本兵で南京大虐殺にも加担し、中国の領土で1945年の終戦まで参戦していた。河村市長は、父親は「中国で温かいもてなしを受けた」と思っていたといい、8年の間にもしそんなこと(“南京事件”)があったら、南京の人がなんでそんなに(父親がいっていたように)日本の軍隊に優しくしてくれたのか理解できない」といっている。
また「真実を明らかにしないと、とげが刺さっているようなもので(双方の交流が)うまくいかない。一度、討論会を南京で開いてほしい」と発言した。
朱館長は取材に対し、河村たかし市長は、父親の個人的な経験に基づいた主観で無責任で誤った憶測をしているといい「中国を侵略した日本軍が南京で行った残虐な行為は、極東国際軍事裁判の判決ですでに確認されている。また、南京や世界各地の友人から送られてきた膨大な歴史資料や文物が日本軍の虐殺の事実を裏付けている。この史実を否定することは、すべての虐殺生存者が経てきた苦しみを否定することになる。」と訴えた。
また、朱館長は「友好的な討論や交流は史実を尊重したところに成り立つものだ」と、河村市長の「歴史討論会の開催」提案に反駁している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月21日